コンビニ各社のコーヒーは「味」だけじゃない:品質と理念まで見ると選びやすくなる
コンビニコーヒーの違いは、豆や焙煎だけで決まりません。実は「どれだけ毎回同じ味に再現できるか(品質管理)」と、「何を大事にしているか(理念)」が味の方向性を決めています。
比較の前提:味の違いを生む“3つのレバー”
- 焙煎(ロースト):苦み・香ばしさ・酸味の出方が変わる
- 抽出の再現性:挽き目(粒度)やマシン制御でブレが減る
- ミルクや提供設計:ラテは牛乳の質や設計思想が味の半分を決める
セブン‐イレブン:澄んだ飲みごたえ×サステナブル(技術ドリブン)
セブンは「挽きたて淹れたて」をベースにしつつ、2025年に『セブンカフェ 水素焙煎コーヒー』を投入。水素焙煎は、火加減の自由度で雑味を抑えやすく、メーカー説明では“雑味が少なく、澄んでいながらも飲みごたえ”“フルーティーでまろやかな酸味”が特徴とされています。さらに焙煎時のCO2排出を抑える方向性も打ち出しています。
- 味の方向性:クリア寄り/苦みが苦手でも入りやすい設計
- 品質の見どころ:焙煎技術で「雑味」を減らすアプローチ
- 理念の芯:“おいしい×サステナブル”の両立(技術で解く)
ローソン:豆~ミルク~抽出まで“現場品質”を固める(品質管理ドリブン)
ローソンのMACHI café(マチカフェ)は、公式に「豆・ミルク・焙煎方法・抽出機械まで品質管理と社会・環境への配慮を徹底」と明言しています。例として、ブラジル・イパネマ農園の熟成豆をはじめ豆を厳選、豆の個性に合わせた焙煎、生乳100%の牛乳など、“一杯の構成要素”を丁寧に固める思想が見えます。
- 味の方向性:(設計として)素材の良さとバランスで勝負しやすい
- 品質の見どころ:原料~抽出までの管理範囲が広い
- 理念の芯:「一粒の豆から届けるまで」を設計する“品質の思想”
ファミリーマート:嗜好に寄せる“調整力”と、共同開発の伸びしろ(抽出レシピドリブン)
ファミマは2025年から7年ぶりの新型コーヒーマシンを順次導入し、豆の挽き方を9段階に挽き分ける仕組みで、メニューに合わせた最適化(=再現性の向上)を狙っています。さらに、世界No.1バリスタ粕谷哲氏との共同開発を継続し、例えば「アイスモカブレンド」は最高等級モカ豆(エチオピア イルガチェフェ)を使う設計で展開されています。味を“作り込みで寄せる”思想が強いタイプです。
- 味の方向性:「好みに合わせて最適化」しやすい(設計の自由度が高い)
- 品質の見どころ:挽き目(粒度)を増やして再現性を上げる狙い
- 理念の芯:“もっと美味しく”をマシンとレシピで詰める/産地支援の文脈も強化
結局どれが合う?味の“地図”で選ぶ(読者が迷わないための結論)
- 苦みが苦手/スッキリ飲みたい:セブン(特に水素焙煎の思想が刺さりやすい)
- 素材・一貫した品質に安心感がほしい:ローソン(設計範囲が広い)
- その日の気分で「濃さ・設計」に寄せたい:ファミマ(調整力と共同開発の方向)
つまらなくしない:1回で違いがわかる“コンビニコーヒー試験”
ワインのテイスティングみたいにやると、面白いほど差が出ます(しかも安い)。
- 同じ日・同じ時間帯に、3社で同じ系統(例:ホットのブラック)を買う
- 最初の一口は香り、次の一口は苦み、最後は後味だけに意識を置く
- 「もう一口飲みたい」と思ったものが、あなたの“勝ち豆”
今日のベビーステップ(1分でできる)
明日、いつもの店でサイズを固定して頼んでください(例:ホットR)。選択肢を減らすだけで、味の差が見え始めます。慣れてきたら「今日は澄み系」「今日はコク系」みたいに、気分で“チェーンを選ぶ”側に回れます。








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