「自分が本当にほしいものがわからない」。そんなモヤモヤに包まれていると、進みたい方向も定まりません。けれど、欲しいものを見つける方法は“特別な直感”ではなく、具体的な手順を踏むことで整理できます。ここでは、やさしく着実に取り組める5つのステップをご紹介します。
1. 快と不快を記録する
毎日の生活の中で、「あ、ちょっと楽しい」「なんか嫌だな」と感じる瞬間をノートやスマホにメモしていきます。
- 楽しいと感じた例:友達と話した、音楽を聴いた、体を動かした
- 嫌だと感じた例:残業で疲れた、人混みでイライラした
ポイントは「理由」を考え込まず、とにかく感覚ベースで記録すること。1週間続けると、どんな場面で心が動いているかの傾向が見えてきます。
2. 幼少期の夢中体験を思い出す
子どもの頃、時間を忘れて熱中していたことを思い出しましょう。たとえば:
- 絵を描くことに没頭していた
- 虫取りや自然観察が好きだった
- ブロックや工作で遊ぶのが楽しかった
それらは「純粋に好きだったこと」。大人になっても形を変えて活かせるヒントになります。たとえば「絵が好き」ならデザインや写真、「観察が好き」なら研究や分析とつながる可能性があります。
3. 制約を外したシミュレーションをする
頭の中で次の問いを考えてみてください。
- もしお金の心配が一切なかったら、どんな毎日を送りたい?
- もし余命が1年しかなかったら、何を優先したい?
ここで出てきた答えは、現実的にすぐ叶うかどうかは関係ありません。「自分が大切にしたいこと」の核を浮かび上がらせる作業です。
4. 他人との比較で欲求をあぶり出す
次の2つのリストを作ってみましょう。
- 人が持っていて「羨ましい」と感じるもの
- 人が持っていても「羨ましいとは思わない」もの
例えば「自由に海外旅行できる生活」は羨ましいけど、「ブランド物のバッグ」は羨ましくない。この比較で、自分の価値観の輪郭がはっきりします。
5. 小さく行動してテストする
候補が見えてきたら、いきなり人生を変える必要はありません。「お試し行動」から始めましょう。
- 英語に興味がある → まずは1週間だけアプリで毎日5分学習
- 農業に興味がある → 農業体験イベントに1日だけ参加してみる
- 文章を書くのが好きかも → ブログやSNSに短文を投稿してみる
「やってみた結果どう感じたか」を観察することで、机上の空論ではなく実感が得られます。
哲学的な視点
欲望は固定された答えではなく、常に変化していくプロセスです。だから「これが一生の答えだ!」と決める必要はありません。むしろ、その時々の自分に合った“しっくりくるもの”を見つけて、柔軟にアップデートしていく方が自然です。
まとめ
本当にほしいものを知ることは、人生の大実験のようなものです。観察し、記録し、試す。その繰り返しが、自分の軸を作っていきます。
完璧な正解を探すのではなく、「今の自分にとって心地よい方向」を一歩ずつ探っていきましょう。
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