更新日:2025/11/14
「鉄で淹れたお茶は美味しい」という言葉は、ただの懐古ではありません。
鉄瓶で沸かした湯は鉄イオン(Fe²⁺)が微量に溶け出し、水の角が取れて、驚くほどまろやかになるためです。
この記事では、昔ながらの味を“現代でも再現できる方法”と“おすすめの道具(アフィリンク対応)”をわかりやすく解説します。
鉄で淹れるお茶が美味しい理由──科学的根拠
鉄瓶で湯を沸かすと鍋肌からごく微量の鉄イオンが溶け出します。これは安全性の高い二価鉄(Fe²⁺)で、湯の硬さが和らぎ、 渋みが抑えられ、旨味・甘味が引き立つという効果があります。
そして、鉄瓶で変質した湯は陶器(常滑焼・萬古焼)との相性が非常に良く、茶葉の香りを引き出します。
なぜ「鉄急須で直接淹れる」のは推奨されないのか?
お茶に含まれるポリフェノール(タンニン)は鉄と反応し、黒く濁る・風味が荒れる・鉄臭さが残るといった問題が起きてしまいます。
さらに、茶葉を放置すると酸化でサビが急加速。鉄急須の寿命も一気に縮みます。
そのため、昔の茶人たちは「湯は鉄瓶で育て、抽出は陶器で行う」という分業方式を採用していました。
【結論】昔ながらの味を再現したいなら、鉄瓶×陶器急須が最適解
ここからは、実際に導入すべきおすすめ道具を紹介します(アフィリエイトリンク対応)。
1. 湯の味を変える本命「鉄瓶」
ホーロー加工なし(無加工)の鉄瓶が“本物の味”を作ります。
岩鋳は南部鉄器の代表格。無加工鉄瓶の中では最も扱いやすく、湯の味変が安定しています。
初めて鉄瓶を使う人にも安心してすすめられる一品。
2. 香りと旨味を引き出す「常滑焼・萬古焼の急須」
常滑焼は“渋みをやわらげる”ことで有名。鉄瓶の柔らかい湯と組み合わせると、煎茶の甘みが際立ちます。
萬古焼は保温性が高く、玉露や高級煎茶の“香りを立てたい時”に相性抜群。
【初心者でも失敗しない】鉄瓶×急須の淹れ方レシピ
- 鉄瓶に水を入れ、沸騰直前で火を止める
- 10秒置いて湯を落ち着かせる(渋みが出にくくなる)
- 急須に茶葉をセット
- 鉄瓶の湯をそっと注ぐ
- 抽出時間に合わせて湯呑みに注ぎ切る
これだけで、驚くほど“雑味のないお茶”が完成します。
鉄瓶を10年以上使うためのメンテナンス
- 使用後はフタを開けて自然乾燥
- 内側には触れない(皮膜を育てる)
- 水は入れっぱなしにしない
- 茶葉は絶対に入れない
鉄瓶は育つ道具。使い込むほど湯がどんどん美味しくなります。
参考文献・公式情報
この記事が、昔ながらの“鉄で淹れるお茶”の魅力を再発見するきっかけになれば幸いです。









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