結論:動物の異常行動は「地震予知」には使えない
犬が吠えた、魚が跳ねた、鳥が騒いだ…。地震前の“それっぽい話”は昔からあります。けれど、「再現性のある行動パターン」や「仕組みの説明」が揃っていないため、予知としては扱えないというのが公的機関の立場です。
なぜ「当たった」ように見えるのか
- 地震は頻繁:日本では体に感じる地震が日常的に起きる。偶然の一致が増える
- 記憶の偏り:地震の後に「そういえば変だった」が増える(後から意味づけしやすい)
- 原因が多い:動物の行動は天候、音、匂い、体調などでも変わる
“直前に気づく”はあり得る(ここが誤解の根っこ)
動物が人より先に気づく可能性があるのは、地震の揺れが来る直前です。地震では最初に小さな揺れ(P波)が到達し、その後に大きな揺れ(S波)が来ます。人が気づきにくい小さな揺れを、感覚の鋭い動物が先に感じる、という説明は成り立ちます。
ただしこれは「数秒〜ごく短い時間」の話で、何日も前からの予知とは別物です。
実用の落とし所:動物観察より「備え」を最適化する
動物を観察して当てに行くより、当たらなくても効く備えを積み上げるほうが合理的です。
まず設定(1分)
- スマホの緊急地震速報・防災通知をON(鳴るだけで価値がある)
- 夜間に備えて、枕元に靴・ライトを置く
家の中(10分)
- 倒れやすい家具の位置を見直す(寝床・通路の上から外す)
- ガラス周りを整理して、割れたときの二次被害を減らす
行動の型(覚えるのはこれだけ)
- 揺れたら:頭を守る・火を止めるより先に身の安全(状況次第)
- 速報が鳴ったら:周囲の状況に応じて、慌てず安全確保
ペットが騒いだときの“現実的”対応
- その場でできる安全行動だけ取る(頭を守る・出口確保・火元確認など)
- SNSで「来る」と拡散しない(不安を増幅させやすい)
- 結果が何も起きなくても、備えを整えたならプラスで終わり
参考(一次情報)
- USGS:Can animals predict earthquakes?
- USGS:Animals & Earthquake Prediction(P波の説明含む)
- 気象庁FAQ:地震予知について(動植物の異常行動・地震雲など)
- 気象庁:緊急地震速報を見聞きしたときの行動
※本記事は一般情報であり、診断・治療・予知を保証するものではありません。









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