「筋トレはムリ」の正体は、才能じゃなく“摩擦”です
筋トレが続かない理由は、意志が弱いからではありません。ほとんどの場合、次の3つが原因です。
- 比較の地獄:SNSの“仕上がった人”と比べて一気にやる気が死ぬ
- 失敗の恐怖:フォームが分からない→ケガしそう→やめる
- 判断の多さ:何をどれだけ?が毎回わからない→疲れて終わる
だから最初にやるべきは「根性」ではなく、迷わず実行できる形に落とすことです。
結論:まずは週2回・10分で十分
日本の公的ガイド(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」)では、筋力を高める活動を継続することが推奨されます。完璧を狙わず、まずは「週2回の10分」を守るほうが成功率は上がります。
10分「ゆる筋トレ」メニュー(初心者・家でOK)
道具なし/運動経験ゼロでも回せるように設計しました。息が上がりすぎない強度でOKです。
ルール(これだけ覚える)
- 頻度:週2回(できたら週3回)
- 強度:10段階で「きつさ6〜7」くらい(ギリギリではない)
- 回数:各種目 8〜12回 × 1セット(余裕が出たら2セット)
- 痛み:鋭い痛みが出たら中止。痛みは根性で突破しない
メニューA(下半身+体幹)
- 椅子スクワット:8〜12回(膝よりお尻を後ろに。腰が丸まらない範囲で)
- ヒップヒンジ(お尻を引く練習):8〜12回(背中まっすぐ、太もも裏とお尻に効かせる)
- サイドプランク(膝つきOK):左右 15〜25秒
- カーフレイズ(かかと上げ):12回(ふくらはぎ)
メニューB(上半身+姿勢)
- 壁腕立て伏せ:8〜12回(胸・腕。怖くない角度でOK)
- タオルロー(引く動き):8〜12回(背中。肩をすくめない)
- バードドッグ:左右 8回(体幹。ゆっくりでOK)
- 肩甲骨寄せ:10回(猫背対策の“儀式”)
週の回し方(迷わない)
- 例:月A → 木B(週2回)
- 余裕が出たら:月A → 水B → 土A(週3回)
真面目な人ほどハマる「やりすぎ→筋肉痛→1週間休む」問題の対策
これは私の実体験です。最初は「よし、やるぞ」と気合いで追い込んで、翌日から筋肉痛。回復するまで休もう…と思ったら、気づけば1週間以上あいて、そのまま戻れなくなる。真面目な人ほど、これをやりがちです。
でも安心してください。これは意志の問題ではなく、最初の設計の問題です。筋肉より先に、習慣を守る仕組みを作れば勝てます。
いちばん多い失敗はこれです:最初に頑張りすぎる → 強い筋肉痛 → 「治るまで休む」 → 気づけば1週間以上空く → 習慣が死ぬ。対策は、筋肉ではなく“習慣”を守る設計です。
対策1:最初の2週間は「7割運用」で終える
- 合言葉:「もっと出来る」で終わる(追い込まない)
- 具体:各種目は1セット固定、きつさは6/10で止める
- 狙い:筋肉痛を“軽め”に抑えて、次の予定日に動ける状態を作る
対策2:筋肉痛が来ても「ゼロの日」を作らない(3分でOK)
筋肉痛(DOMS)は数日続くことがあります。重い日は強い筋トレはせず、軽い動きだけで十分です。重要なのは「私はまだ続けている」という状態を切らさないこと。
- 回復メニュー(3分):ゆっくり散歩1〜2分+深呼吸30秒+軽いストレッチ(痛くない範囲)
- やらないこと:痛い部位を根性で追い込む
対策3:筋肉痛の“信号機ルール”で迷いを消す
- 青(問題なし):違和感程度 → 予定どおりA/Bを実施
- 黄(注意):動くと辛いが日常動作は可能 → セット数を半分、または回復メニューに切替
- 赤(中止):鋭い痛み/腫れ/関節が痛い/歩くのも辛い → 運動は中止し、必要なら受診
対策4:もし1回サボっても“復帰の最低ライン”を決めておく
- 復帰の最低ライン:好きな種目1つだけ、8回だけ(1分で終わる)
- 翌日はリセット:予定表どおりに戻す(取り返そうとしない)
習慣は「連続記録」より、復帰が速いことで強くなります。
「太くなるのが怖い」への現実的な答え
多くの人が恐れている“ムキムキ化”は、かなり計画的に高負荷・高頻度・食事管理まで揃えないと起きにくいです。最初の段階で起こる変化は、むしろ次のような方向になりやすい。
- 姿勢が整う:肩・背中・骨盤が安定しやすい
- 体が軽い:日常動作がラクになる(疲れにくい)
- 見た目が締まる:筋肉は“形”を作る材料になる
安全のコツ:ケガを減らす3原則
- 原則1:痛みは止まれの合図。筋肉の「きつい」と関節の「痛い」を混同しない。
- 原則2:増やすのは1つだけ。回数かセットか頻度。全部同時に盛らない。
- 原則3:休むのもトレーニング。筋力は休養で育つ。連日やるより週2回を守る。
今日の一歩(これだけ)
- まずは週2回・10分だけ予定に置く(気合ではなく予定)
- 最初の2週間は7割運用で止める(追い込まない)
- 筋肉痛の日は3分回復メニューだけやって「継続」を切らさない
参考リンク(一次・公的)
- 厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(PDF)
- e-ヘルスネット(厚労省):身体活動・運動
- e-ヘルスネット(厚労省):安全で効果的な運動を行うための原理原則
- WHO:Physical activity
※本記事は一般的な情報です。強い痛み・腫れ・しびれ・持病・服薬中・妊娠中など不安がある場合は医療機関や有資格者に相談してください。









コメント