立ちくらみ、朝のだるさ、疲れやすさ…。これらは低血圧が原因かもしれません。この記事では、薬に頼らず、科学的根拠に基づいて「健康的に血圧を上げる方法」をご紹介します。20代でも取り組みやすく、生活に取り入れやすい内容を厳選しました。
食事と栄養で血圧を整える
塩分と水分の補給
- 厚生労働省によると、塩分摂取量の目安は男性8g未満、女性7g未満。ただし低血圧の人は、天然塩や味噌・梅干しなどを利用して意識的に塩分補給を行うとよいとされています。
- 水分補給は1日1.5〜2Lを目安にこまめに行う。起床時や運動前後、入浴後など脱水になりやすいタイミングでは特に意識しましょう。
栄養バランスと鉄分・ビタミン
- 鉄分不足は貧血・低血圧の原因。レバー、小松菜、ひじき、大豆製品、赤身肉などを積極的に。
- ビタミンB12や葉酸は赤血球をつくるのに必要な栄養素。不足するとめまいやふらつきの原因になります。
- タンパク質(魚・肉・卵・豆類など)を毎食意識して取り入れましょう。
食後低血圧の対策
- 一度に大量に食べると消化に血液が集中し、血圧が下がる可能性があります。1日3食を少量ずつに分け、消化の負担を軽減するのが効果的です。
- 食後にカフェイン(緑茶・コーヒー)を摂ることで交感神経が刺激され、一時的に血圧が上がることが知られています。ただし夕方以降は睡眠の妨げになる可能性があるため控えましょう。
運動で血流と自律神経をサポート
おすすめ運動
- ウォーキング:1日30分、週3〜5回。無理なく続けられ、下半身の血流を改善します。
- 階段昇降:ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に押し戻すポンプの役割を果たします。ふくらはぎを鍛えることで、下半身に滞りやすい血液を上半身に戻しやすくなり、血圧の維持に効果的です。
- つま先立ち・その場足踏み:特に忙しい日や屋内でも取り組める簡単な方法です。1日数セット行うことで筋ポンプ機能が強化され、立ちくらみ対策にもなります。
- ヨガ・ストレッチ:自律神経を整え、血圧の変動を穏やかにします。朝や夜に10〜15分でもOK。
運動時の注意点
- 空腹時や満腹直後の運動は避けましょう。
- こまめな水分補給を行い、熱中症や脱水症状を防ぎます。
- 体調が悪い日は無理をせず、休息を優先しましょう。
生活習慣の改善
- 睡眠:6〜8時間を目安に。毎日同じ時間に寝て起きる習慣が自律神経を整えます。
- 起床時の工夫:目が覚めたら布団の中で手足をゆっくり動かし、横向きになってからゆっくり起き上がることで、立ちくらみを防ぎます。
- 入浴:40℃前後のぬるめのお湯に10分程度浸かると、自律神経が整い血圧の安定に寄与します。長湯や熱すぎる湯は逆効果なので注意。
- アルコール:血管拡張作用により血圧が下がるため、低血圧の人は飲みすぎないように。
- 弾性ストッキング:下肢に血液が溜まるのを防ぎ、起立性低血圧の対策として有効。長時間立つ場合や朝の通勤時などに活用を。
自律神経を整える方法
- 朝の日光浴:朝起きてすぐにカーテンを開け、15分程度自然光を浴びると、体内時計が整い交感神経が優位になって血圧が上がりやすくなります。
- 3-3-6-3呼吸法とは?
この呼吸法は、自律神経のバランスを整えるために有効とされる方法です。- 鼻から3秒かけてゆっくり息を吸う
- 息を止めて3秒キープ
- 口から6秒かけてゆっくり吐き出す
- 息を止めて3秒キープ
- 趣味や音楽、笑い:ストレスを感じたときに自分が心から楽しめることをすることで、交感神経と副交感神経のバランスが整いやすくなります。お気に入りの音楽を聴く、日記を書く、自然の中を散歩するなど、自分に合った方法を探してみましょう。
まとめ
低血圧は体質だから仕方ない…とあきらめる前に、生活習慣を少し整えるだけで驚くほど体調が変わります。食事、運動、睡眠、自律神経の4つの柱で、毎日を軽やかに過ごしましょう。
※本記事は医学文献・専門家監修の情報をもとに構成していますが、体調不良が続く場合は必ず医師にご相談ください。
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