脂肪肝とは?放置するとどうなるのか、改善のための実践ガイド
脂肪肝とは?放置するとどうなるのか、改善のための実践ガイド
脂肪肝とは?
脂肪肝とは、肝臓に過剰な脂肪(中性脂肪)が蓄積された状態を指します。アルコールが原因の「アルコール性脂肪肝」と、飲酒に関係なく生活習慣などが原因となる「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)」に分けられます。特にNAFLDは、現代人に多い生活習慣病の一つとして注目されています。
脂肪肝になると起こること(進行段階)
ステージ1:単純性脂肪肝
肝臓に脂肪が5%以上蓄積しているが、炎症や細胞の壊死は見られない段階です。ほとんどが無症状ですが、血液検査で肝機能異常を指摘されることがあります。
ステージ2:非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
炎症と肝細胞の壊死が進行し、線維化が始まります。倦怠感や右上腹部の不快感が出ることもあります。
ステージ3:線維化
肝臓に線維(コラーゲンなどの硬い組織)が沈着し、正常な組織が置き換わり始めます。F1〜F4で評価され、F4が肝硬変に相当します。
ステージ4:肝硬変
肝機能が著しく低下し、黄疸、腹水、食道静脈瘤、肝性脳症などの重篤な症状が現れます。
ステージ5:肝がん
慢性炎症により、肝臓がん(肝細胞がん)を発症するリスクが高まります。非飲酒者でも油断できません。
脂肪肝による合併症
- 2型糖尿病:インスリン抵抗性により血糖コントロールが悪化。
- 動脈硬化・心血管疾患:炎症性サイトカインの増加により血管への負荷が増大。
- 高血圧・脂質異常症:脂肪代謝の異常によって悪玉コレステロールが増加。
- 慢性腎臓病(CKD):肝腎連関により腎機能が悪化。
- 睡眠時無呼吸症候群:酸素不足が肝臓のダメージを助長。
脂肪肝を改善する方法
1. 食事改善
糖質・脂質の摂取を抑え、たんぱく質・食物繊維・良質な脂を意識して摂取しましょう。
一日の食事例
- 朝食:玄米、納豆、味噌汁、ゆで卵
- 昼食:鶏むね肉、サラダ、雑穀パン、わかめスープ
- 間食:無塩ナッツまたはゆで大豆
- 夕食:豆腐ステーキ、ひじき煮、野菜のおひたし、雑穀米少量
肝臓に良い食品
- 緑黄色野菜
- 大豆製品
- 青魚
- 海藻・きのこ
- オリーブオイル、えごま油
2. 運動習慣
週5日、1日30分程度の有酸素運動(ウォーキングやジョギング)に加え、筋トレを取り入れましょう。
3. 医療チェック
- 血液検査(AST、ALT、γ-GTP)
- 腹部エコー
- HbA1c、空腹時血糖
- 脂質検査(LDL、HDL、中性脂肪)
日常生活チェックリスト
- 夜20時以降に食事をしていないか
- 飲酒を完全にやめているか
- 毎日運動しているか
- 食物繊維を十分に摂取しているか
- 体重を5〜10%減らす努力をしているか
医師と相談して使いたいサプリメント例
- ウルソデオキシコール酸(UDCA)
- ビタミンE
- EPA・DHA(オメガ3)
- シリマリン(マリアアザミ)
まとめ
脂肪肝は初期では自覚症状がなく、軽視されがちですが、放置すれば重大な病気へと進行します。生活習慣を見直すことで、改善・予防は十分に可能です。今こそ、肝臓に優しい生活を始めましょう。
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